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■イントロダクション■ 
 



「嘘は泥棒のはじまり」っていいますけど、必ずしも相手を騙したいからつく嘘ばかりじゃありません。大好きな人だからこそ、隠したい、知られたくない、そんな気持ちから嘘をついてしまった経験が、誰だってひとつやふたつ、きっとあるはず。そこに込められたささやかな思いは、ただ一つ
「ずっと、幸せでいたい!」

 このお話の主人公、紀雄くんもふとしたきっかけで、恋人の嘘に気付いてしまいます。そばにいるようで、実は知らない好きな人の本当の姿。
「もっと、彼女のことが知りたい」
そんな気持ちから、彼はいつもの自分の殻から一歩抜け出す、小さな冒険に乗り出します。そうです、恋にはいつだって、知恵と勇気を勝ち取るための旅がつきものなのです。ただ、恋愛ビギナーの紀雄くんは、経験値が浅いので、あっちでつまずいたり、こっちで迷ったり、彼女を取り巻くさまざまな人の言葉に翻弄されて立ち止まったりしてしまいます。でも、彼女の本当の姿って何でしょう? 今、目の前にいる彼女を好きなことに変わりはないはずです。疑うのは簡単だけど、相手を信じ、許してあげることも大切なこと。それに、彼だって本当は、彼女に嘘をついていたのですから……。
 これは、好きな人の前で、ありのままの自分を出せずに悩んでいる人たちを応援してくれる、恋に関するささやかな幸福の物語なのです。

 
 


 

タイトルロールの紀雄を演じるのは、「青い春」「blue」でクールなオーラを放った若手俳優・高岡蒼佑。実は几帳面で小心者のくせに、男っぽく振舞う大学生を、これまでになくユーモラスで飄々とした味わいで演じます。綾子には、行定勲、塩田明彦、橋口亮輔など最前線にいる監督からオファーが絶えない若手としてキャリア十分のつぐみ。紀雄についた“ある嘘”に悩むヒロインの姿をウェットに陥らず、カラッとしたせつなさを醸し出す演技で見せます。どこにでもいる普通の若者の心情を、等身大の魅力で演じる二人のしぐさや会話は、時にドキリと、時にチクッと観る者の心に響きます。
 さらに、現役プロレスラー・富豪2夢路、《猫のホテル》の役者で小劇場で活躍する菅原永二、ジョビジョバの六角慎司、バラエティやドラマ、ラジオと多彩な顔を見せるたなかえり、「さくや妖怪伝」主演以降、さまざまな役に取り組む安藤希、CanCanなどのファッション誌でモデルとして注目されたさくら、アイドルから女優へと転身した西本はるか、木内あきらなど、バラエティ豊かな顔ぶれが揃いました。

 




インディーズ界の期待の才能、深川栄洋の本格的劇場デビュー作!
 監督は、前作「自転車とハイヒール」が、昨年BOX東中野にてレイトショー公開されるや、その面白さに口コミでの噂が広がり、記録的なヒットを飾った深川栄洋(27歳)。可笑しさの中にも毒を秘めたダイアローグ(台詞)のセンスと、等身大の人物像をリアルに掬い取る繊細な演出は高く評価され、「まぶだち」「ロボコン」の古厩智之監督に“嫉妬した”と言わしめ、市川実日子、あがた森魚、ケラリーノ・サンドロヴィッチなど、各界からの多くの支持を集めました。その他の作品でも、映画監督の登竜門と言われる「ぴあフィルムフェスティバル」や「水戸短編映像祭」などに数多く入選、入賞経験を持つ深川監督は、今やインディーズ界の若手ホープに成長しました。そしてついに、本作で待望のプロデビューを飾ることとなります。
 矢口史靖、橋口亮輔、熊切和嘉など、今後の日本映画界を支えていく監督たちを排出してきたインディーズ・シーンから、また新たな才能がひとり誕生しました。

 




近年、「Jam Films」のヒット、短編を中心とした映画祭の開催など、短編映画(=ショートフィルム)の人気は、ますます高まるばかりです。こうしたブームの先駆けとして、1999年にオープンした「トリウッド」は、フルデジタルアニメーション「ほしのこえ」(新海誠監督)や、「演じ屋」(野口照夫監督)の大ヒットを打ち立て、自作自演活弁監督・山田広野の生ライブ、新人にロードショー権のチャンスが得られるスニークプレビューなど、ユニークな上映形態も実施し、絶えず“短編映画の発信地”を担って来ました。
 そして、今回、初めて映画製作にも挑戦。企画、製作から、宣伝、上映に至るまでトータルプロデュースを手掛け、短編映画の持つ可能性と限界に挑みます。そのトップランナーを努めるのが、「トリウッド」の柿落としを飾った深川監督作品です。

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